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あの夏が飽和する。 - 丸-maruko

あの夏が飽和する。-丸-maruko.mp3
[00:06.063]「昨日人を殺したんた」 [00:08.225]君は...
[00:06.063]「昨日人を殺したんた」
[00:08.225]君はそう言っていた
[00:11.072]梅雨時ずぶ濡れのまんま、
[00:13.190]部屋の前で泣いていた
[00:16.440]夏が始まったばかりというのに、
[00:19.114]君はひどく震えていた
[00:21.560]そんな話で始まる、あの夏の日の記憶だ。
[00:34.539]あの夏が飽和する
[00:45.809]「殺したのは隣の席の、いつも虐めてくるアイツ。
[00:50.817]もう嫌になって、肩を突き飛ばして、
[00:53.855]打ち所が悪かったんだ。
[00:56.507]もうここには居られないと思うし、どっか遠いとこで死んでくるよ。」
[01:01.862]そんな君に僕は言った
[01:04.226]「それじゃ僕も連れてって」
[01:07.105]財布を持って、ナイフを持って、
[01:09.780]携带ゲームもカバンに詰めて、
[01:12.558]いらないものは全部壊していこう
[01:17.845]あの写真も、あの日記も
[01:20.425]今となっちゃもういらないさ。
[01:22.929]人殺しとダメ人間の
[01:26.878]君と僕の旅だ。そして僕らは逃げ出した。
[01:36.199]この狭い狭いこの世界から。
[01:39.127]家族もクラスの奴も何もかも
[01:41.934]全部捨てて君と二人で
[01:44.617]遠い遠い誰もいない場所で二人で死のうよ。
[01:49.202]もうこの世界に価値などないよ。
[01:51.785]人殺しなんてそころ中
[01:53.958]湧いてるじゃんか
[01:55.297]君は何も悪くないよ
[01:58.331]君は何も悪くないよ
[02:16.552]結局僕ら誰にも愛されたことなどなかったんだ。
[02:21.236]そんな嫌な共通点で
[02:23.904]僕らは簡単に信じあってきた
[02:27.389]君の手を握った時、微かな震えも既になくなっていて
[02:32.387]誰にも縛られないで二人
[02:35.287]線路の上を歩いた。
[02:37.843]金を盗んで、二人で逃げて、
[02:40.451]どこにも行ける気がしたんだ
[02:43.072]今更怖いものは
[02:46.210]僕らにはなかったんだ。
[02:48.472]額の汗も、落ちたメガネも
[02:51.048]「今となっちゃどうでもいいさ。
[02:53.779]あぶれ者の小さな 逃避行の旅だ」
[03:04.475]いつか夢見た優しくて、
[03:07.153]誰にも好かれる主人公なら、
[03:09.725]汚くなった僕たちも見捨てずに
[03:12.688]ちゃんと救ってくれるのかな。」
[03:15.097]「そんな夢なら捨てたよ。
[03:17.283]だって現実を見ろよ。
[03:19.335]シアワセの四文字なんてなかった、
[03:22.652]今までに人生で思い知ったじゃないか。
[03:25.849]自分は何も悪くねえと
[03:28.573]誰もがきっと思ってる。」
[03:47.101]あてもなく彷徨う蝉の群れに、
[03:49.753]水も無くなり揺れ出す視界に、
[03:52.423]迫り狂う鬼たちの怒号に、
[03:55.121]バカみたいにはしゃぎあいふと君けナイフを取った。
[03:59.108]君が今までそばにいたなら
[04:01.582]ここまでこれたんだ
[04:03.439]だからもういいよ。
[04:04.839]もういいよ」
[04:05.779]「死ぬのは私一人でいいよ」
[04:17.705]そして君は首を切った
[04:20.169]まるで何かの映画のワンシーンだ。
[04:23.238]白昼夢を見ている気がした
[04:25.885]気づけば僕は捕まって。
[04:28.329]君がどこにも見っからなくって
[04:31.277]君だけがどこにもいなくって
[04:33.972]そして時は過きていった
[04:36.147]ただ暑い暑い日が過ぎてった
[04:39.123]家族もクラスの奴らもいるのに
[04:41.292]なぜか君だけはどこにもいない
[04:44.573]あの夏の日を思い出す。
[04:46.793]僕は今も今でも歌ってる。
[04:49.874]君をずっと探しているんだ。
[04:52.602]君に言いたいことがあるんだ。
[04:55.189]九月の終わりにくしゃみして
[04:57.589]六月の匂いを繰り返す。
[05:00.263]君の笑顔は
[05:01.623]君の無邪気さは
[05:03.107]頭の中を飽和している
[05:05.927]誰も何も悪くないよ。
[05:08.638]君は何も悪くはないから
[05:11.347]もういいよ。
[05:13.253]投げ出してしまおう
[05:13.923]そう言って欲しかったのだろう?なあ?
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